2010年08月11日

「比喩」は絶対に「本質」を言い表すことができない

01)「何かに例えると分かり易くなるが本質を見失う QT @tamai1961: RT @ttakimoto 国家と投資信託」のツイートで「そうかな?場合によると思うけど。」「方法論でなく中身の議論をされた方がいいでしょう。」とお返事を貰ったので考えてみました。

02)まず「比喩を使うと本質から離れる」という話。「なぜ論文を書くのです? 学会なんて閉じた世界に発表しても仕方ないでしょう? 小説になさい。あれは開けた世界に出る物で真理です」と言われたら誰だって「論文と小説は違う!」と言うでしょう。でも本当?

03)論文も小説も受け手に伝えることが重要です。論文も小説も自説を説くために書きます。類似点多いですね。でも論文は学会という閉じた世界に発表します。小説は世の中という開けた世界に発表します。ならば論文は小説の1つのモデルですね。という結論になります。

04)それでは小説のモデルである論文は「小説の本質」についてどの程度表せているのでしょうか? 表せているところは上記の2つの類似点だけで、感情の共有や心理描写などは論文にありません。

05)ここまで書けばもうお気づきだと思いますが、ある一面では比喩によるモデル化は可能でも、本質をとらえた全体的なモデル化は不可能なのです。

06)「それは例えるものによる」というご意見ですが、比喩を使ったモデル化が本質を表せないということは簡単に証明できます。それは「反対意見も同じモデルを使用して説明できるかどうか」で判別できるのです。

07)元のツイート「この国家という投資信託は運用者の転職先に優先的に投資されており、ほぼ一方的な値上げが頻繁に行われる。しかも、解約ができず、競合商品もない。しかし、背任や独占禁止法が適用されることはない。残念ながらこれはパラレルワールドのSFではなく近代国家の現実である」

08)このツイートの反対意見は「国家は運用者は多元的で必ずしも転職先に優先的な投資をしない。一方的な値上げではなく意志決定者は間接選挙が行われている。日本国民でなくなることは可能。競合商品は他国で160ある。背任や独占禁止法は国家賠償請求に該当」……など

09)この2つの意見を同じモデルで説明することがなければ、「本質」は切り捨てられたと見て良いと考えます。比喩を使うことに反対はしませんが、そこには一元的な物の見方しか入っていない、本質ではないということを覚えておく必要はあります。

2010年08月04日

赤字財政と建設費の関係はあまりない。という話。

公共投資について誤解している人が多数いると思うので、私なりの見解を。まず公共投資は「建設」「道路」に限らず行われいます。ここに焦点が当たるのは建設国債という特例があるからです。ただし建設国債の残高は平成17年頃がピークであとはほぼ一定です。http://bit.ly/amMdpu

「国債」は基本的に発行することを認められておりません。ただし建設国債だけは将来の子孫も使えるインフラが残るということで立法化されました。これ以外にも国債が発行される場合があります。これが「赤字国債」です。

建設国債は建物や道路などの建設に当てられていますが、一般歳出にあてることはできません。つまりハコモノと今の赤字財政とは直接的なつながりは薄いと言えます。

赤字国債(特例国債)は建設国債の残高が一定になった頃建設国債を上回る額になりました(http://bit.ly/amMdpu。この赤字国債が出ている理由は色々あると思いますが歳出の割合から社会保障費が大きな割合を占めていることは明らかです(http://bit.ly/apt6hS

話は変わりますが、都市部の会社には地方に公共事業をして儲かる仕組みがあります。地方の大きな工事は大手ゼネコンが落札します。地方の建設業者に大きな工事をするだけの財力はありません(公共工事の全部が工事が終わって初めて工事業者へお金が入ります)

大手ゼネコンは「間接工事費」というのを費用に計上します。ここは管理部門の人件費などですが、実質的に利益になります。この間接工事費は約2割程度。ここが大手ゼネコンの利益になり、また利益は大手ゼネコンのある自治体の税収、つまり都市部の税収になります。

更に「直接工事費」という人件費や材料費、建機の部分でも材料は大手ゼネコンの関連会社(本社は都市部)から買ったり、建機も特殊なものを用意して自前のものを下請けに使わせたりしています。ここでの利益もやはり大手ゼネコンから都市部の自治体へ税収として入るのです。

建設関係だけではなく、地方自治体に入札システムや住民基本台帳のシステムを導入させる制作も同じです。特にSI関係の入札はNECや富士通などの大手で占められており、実質地方の税金の一部は都市部の企業の税収として都市部の自治体へ流れます。

さて、都市部が地方を切り捨てるような論理に対して反論しましたが、逆に地方が都市部を切り捨てることができないのでしょうか? 色々考えられますが、地方には権限が少なすぎて実行にたえません。次の機会に面白いからその方面を考えてみたいと思います。