ライトノベルにおける「音」の表現

 ある人の小説を読んでいて、とても違和感のある描写を見つけました。
 

「はやく剣を抜け!」
 魔王は声を上げて笑った。
「貴様など素手で十分だ」

 
 上記の文章は違和感のあった部分を私が書き換えた文章です。
 最初の台詞は勇者の言葉。後の台詞は魔王の言葉です。
 一見どこがおかしいのか分からないと思います。
 当然、小説的には「あり」の描写なわけですが、ライトノベル的に考えるとこの描写は違和感を生むのです。
 
 あまりひっぱってもアレなんで答えだけ先に言うと、私が感じた違和感の正体は「音」です。
 魔王がどのように笑ったのかは「声を上げて」という部分で描写されておりますが、それが「音」になっていないため、情景が浮かんでこなく、ライトノベル的ではないと感じたのだと思います。
 ちなみにこれがライトノベルじゃないよ、と言われて読めば違和感は感じなかったと思います。

 ということで、上記の文章をライトノベル的に修正します。
 

「はやく剣を抜け!」
 魔王は声を上げて笑った。
「カカカッ! 貴様など素手で十分だ」

 これで非常にライトノベル的になりました。

 この例を元に一般化すると、ライトノベルでは「擬態語」「擬音」などは非常に重要なポジションを占めていると思います。
 よく「ババーン!」とか「ドドーン」とか使っちゃいけませんと言われますが、確かに普通の小説では使うと陳腐になります。ライトノベルでも使いすぎれば陳腐になりますが、昨今のライトノベルの状況を見ていると重厚なファンタジーは形を潜め、日常型のストーリーが大きな幅を占めています。
 これからは「擬態語」「擬音」の使いどころがライトノベルらしさを醸し出す重要なポイントになるかもしれません。

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Last-modified: 2010-06-21 (月) 10:53:03 (2534d)