文芸とラノベの違い

 個人的に不思議に思ったので、文芸とラノベの違いを考察してみます。
 色々な人に質問した結果、境界は曖昧なまでも「違い」を感じることは出来るようです。

感情移入ができるかどうか

ラノベでの感情移入

 ラノベでは「感情移入」というのが重要な位置を占めます。
 ターゲットとするのは、中高生ですので「変身願望」や「選民願望」など「自分は特別なんだ」と思い込もうとする心理的な面が少なからずあります。ライトノベルなどを読むのも自分を主人公(もしくは登場人物)に投影して、その欲望を満たそうとするための行動と思われます。
 ライトノベルでは感情移入できない物語はそれだけでマイナス発進です。

文芸での感情移入

 文芸では感情移入を必須とはしません。
 どちらかと言えば、読者は自分の位置を第三者的に置き、登場人物たちの行動などを読み、自分なりに考えてみることが多いように思います。
 自分だったらどうするか。
 感情移入をしていそうでありますが、中高生が必要とする感情移入とは明らかに異質なものを感じることが出来ます。

直接的な描写かどうか

ラノベでの描写

 ラノベでは直接的な描写が好まれます。比喩でも直喩的な描写の方が良いようです。
 これは文章の技巧を楽しむ余暇は一切必要としておらず、ストーリーを自分に投影して楽しむのに集中したいと考えていることに起因していると考えられます。

文芸での描写

 文芸では対照的に文章の技巧を時間をかけてもゆっくりと解釈して、余暇として楽しむことに重きを置かれます。ストーリーに重きを置いていないということはないのですが、それよりも作者は登場人物の気持ちや、あるシーンの風景などを読者に伝えるために最適な言葉を選択することに時間を掛けていると思います。当然、読者もそれを求めています。
 ここから外れると「漫画的な小説」とか言われてしまうようになります(ラノベのことですが……)

記号的なキャラクター

ライトノベルではお約束

 平和な時代になりましたので、「花と言えば桜」というような平安の良き省略・暗号文化みたいなものが戻りつつあります。ラノベで言えば「ダルデレ」と言えば「キョン子」、「無口」と言えば「レイ」、「ツンデレ」と言えば「アスカ」、「ほわわ〜」と言えば「CCさくら」という感じでしょうか。
 こういう分かりやすい定型化したキャラクターというのはライトノベルに多く見られる傾向があります。

文芸では滅多に見ない

 反対に文芸では「異端」とされる方が人気を集めます。想像も付かないような(でも実際にはあるレイヤーには存在している)キャラクターを詳細に書き込むことで新しい世界を紙上に表現できる方が文芸らしいと言えます。

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Last-modified: 2010-03-26 (金) 14:21:48 (2680d)